地域猫活動とQ&A
地域猫活動について
飼い主のいない外猫(いわゆる野良猫)をTNR *を行ったのち、地域で管理、世話をするのが地域猫活動です。私たちむろと地域猫の会は、そのTNR活動部分を主に行なっています。*TNR=捕獲(Trap)、不妊手術(Neuter)、もとの場所に戻す(Return)の略。
猫の不妊・去勢手術、餌やりやうんちやおしっこの始末だけでなく、地域猫活動で大切なのは、その地域にどんな猫がいるのか把握し管理することです。なかなか私たちボランティアではそこまでできていませんが、いずれむろとの全ての地域でそうなるといいな、と思っています。
ぜひお近くの地域で耳カットのない猫ちゃんがいたら、近所の方と地域猫活動を行ってみてください。もちろん保護して室内で飼育してくださることが猫にとっては1番と考えていますが、全ての猫を保護することは不可能です。できる範囲で、やれる人がやれることを、というのが当会のモットーです。どんな猫がいるか?どんな人がご飯をあげているのかを情報収集するだけでも立派な地域猫活動です。猫が好きな人だけでなく猫が嫌いな人にとっても、猫を管理していくことで糞尿や騒音が抑えられるというメリットがあります。できるだけたくさんの方が地域猫活動に関わってくださることを願っています。
TNRをする場合はもちろん会としても協力します(捕獲器の貸し出しと月一の不妊・去勢手術を行っています)。ご相談ください。
どうして不妊・去勢手術をするの?
猫の繁殖スピードはとても早く、1匹のメスは年に多くて1〜4回、1回の妊娠につき最大8匹ほど産むと言われています。また生後1年たたずにメスは妊娠が可能です。もし最大数産まれて、かつ全ての猫が死ななければ(あくまでも計算上ですが)、1年で40匹以上増えてしまう...なんていうことに。もし増えてしまうと、猫同士が喧嘩や繁殖して、鳴き声がうるさくなり騒音問題にもなります。当然うんちやおしっこもあちこちでみられるようになり、衛生的にも問題です。
また、猫にとっても、不妊・去勢手術をすることで性格が穏やかになり、争いが減って怪我をするリスクが減らせます。また早期の手術は病気が抑えられるという側面もあります。
人間にとっても猫にとっても幸せになれるのが、不妊・去勢手術だというのが今の世界標準になりつつあります。
手術にお金はかかるの?
飼い主のいない猫を地域猫として元の場所に戻す場合には、当会を通していただければ、基本的には無料*です。
なお当会は、飼い主のいない猫の不妊去勢手術費用について県や市の補助金を利用させていただいていますが、年度末には補助金がなくなり会からの出費となります。またやむなく保護した猫の検査や治療費などの医療費が高額になり、資金不足となっております。会の趣旨にご賛同いただける方は、ご寄付をいただけますと大変助かります(領収書を発行します)。何卒よろしくお願いいたします。
*無料の場合は耳カットを必ず行います。手術予定の猫を「飼育」している方は実費をお支払いいただきますので予めご了承ください。また飼育中の方でも、費用で困りの方は一度当会までご相談ください。なお室戸市以外の方も費用がかかります。
費用の一覧はこちら(外部サイト:にじのはしスペイクリニック室戸診療所)
なお、室戸市にお住まいの方で、当会を通さずに、ご自身で飼い主のいない猫を動物病院に連れていき不妊去勢手術を行う場合、市の補助金が受けられますが、令和7年度より個人での申請が認められなくなりました。3名以上の団体を作り、手術後も継続して地域猫活動を行なっていく必要があります。詳しくは室戸市市民課に直接お問い合わせください。
猫を保護してもらいたい(*当会で預かって当面世話してもらいたい)
猫の繁殖スピードは速い上に、たとえ保護したとしても、猫の数よりも適切な環境で猫を飼ってくださる里親さまの人数の方が、圧倒的に少ない、という状況です。高齢化激しい室戸においては、飼い主のいない外猫たちを保護することは現実的ではありません。当会ではやむを得ない事情でTNR中に保護した猫を除き、保護は行っていません。残念ながら日本の各地で保護活動家や団体が多頭飼育崩壊を起こしている事例が多発しており、それらは猫の保護が非常に困難であるということを物語っています。
これ以上不幸な猫を増やさないために始めたTNR活動ですが、この活動を継続していくためにも現実的な方法として、私たちは猫の保護ではなく地域猫活動を推奨しています。もし野良猫がかわいそうと思ったのであれば、ご自身で保護するか、ぜひ地域猫活動を行ってみてください。
猫の捕獲は難しいですよね?
捕獲器の設置そのものは力の弱い子どもでなければ、誰でも簡単に設置することができます。そのため、あってはならないことですが、虐待するために使う人もいるくらいです。
捕獲自体はさほど難しくないので、もしTNRしたい猫、あるいは保護して飼育したいと考えている方は捕獲器をお貸ししますので会にお問い合わせください。
捕獲器を悪いことに使う人もでてくるわけなので、地域猫を捕獲する場合は、2度と捕獲器に入らないよう「人間は怖いんだよ、捕獲器は危ないんだよ」という記憶を捕獲した際、しっかり持ってもらった方がいいかもしれません。なんだか切ないですね。
猫を手術しても減らないのでは?無駄では?
猫の繁殖スピードは確かにすごいですが、猫の不妊・去勢手術を進めた地域では、外猫がいなくなり地域猫活動そのものを終了した地域(室戸ではまだありませんが)も出始めています(詳細は「京都市 まちねこ活動支援事業」を検索ください)。一般的に外猫の寿命はおよそ5〜6年程度といわれています。手術を進めていけば確実に減っていきます。めげずに頑張りましょう!!
また殺処分は保健所も法律上できなくなっています。TNRとセットの地域猫活動だけが猫を減らす方法といえます。
さくら猫豆知識
不妊去勢手術が済んでいるかどうかを見分ける方法
室戸で見かける不妊去勢手術済みの猫は、耳のカットがV字の耳カットだけでなく、水平カットの子もいます。Vカットの形が桜の花びらににているから「さくら猫」と呼ばれているのはご存知の方も多いと思いますが、水平カットの理由は、以前不妊去勢手術をお願いしていた先生が水平カットだったためです。耳カットがわかりにくい場合は、両耳が同じくらいとんがっているかを見比べて確認すると良いですよ。ただ子猫の時にカットした子はわかりにくいこともしばしばあります。また猫同士の喧嘩で耳がきれている場合もあるので、どうしてもわからない場合は一旦捕獲して、手術前に再度確認するという方法を取ることもあります。
なお、耳カットが猫にとって痛いのではという意見もありますが、不妊去勢の手術中に全身麻酔をかけた状態で行われているので痛みは全くありません。また手術後も、処置をきちんとしているので痛みは全くないということです。
さくら猫のオスメスの見分け方
あくまでも一般的にですが、さくら猫の耳カットは、右耳が男の子、左耳が女の子が一般的です。むろとも同じです。向かって右耳カットが女の子、左耳カットが男の子ということになります。なかなか近づけない猫だと、生殖器が確認できないこともありますが、手術済みの耳カットがあれば、耳カットが右なのか左なのかで判断もできます。
ちなみに毛色が三毛猫やサビ猫なら確実にメス、茶トラはオスの確率が高い、などは有名な見分け方です。一般的なところでは、オスはほおがふっくらしていてエラ部分がおおきく(特に手術が成猫になって時間が経ってからだと特に傾向が著しい)、かつ全体的に体格が大きいことが多いです。メスはその逆ですね。